燃焼の化学
今回からは大きく分けて3つの分野の中の2つ目である、基礎的な物理・化学の分野に入っていきたいと思います。1つ目の危険物に関する法令はぶっちゃけ完全に暗記って感じでしたが、ここからはわりと理系の知識が要求されたりしますが、理系じゃない人でもしっかり理解することが可能なので頑張りたいところです。今回解説するのは、”燃焼の化学”です。
そもそも、燃焼ってなに?
はい、まず最初にみなさんは「燃焼って、あの炎出して燃えてるやつのことでしょ?」って思うと思います。というかそれが普通だと思います。確かにそうなんですが、燃焼というのはそれだけではありません。炎の無い燃焼なんかもありますし・・・・。まずは燃焼の定義と分類をしていきたいと思います。
第4類危険物について
今回は第4類危険物について説明していきたいと思います。
まずは分類からしていきましょう。
特殊引火物:発火点が100℃以下、または引火点が-20℃以下で沸点が40℃以下のもの。
第1石油類:引火点が21℃未満のもの
アルコール類:分子を構成する炭素原子が1-3個までの飽和1価アルコール。ただし含有量が60%未満の水溶液は含まない。
第2石油類:引火点が21℃以上70未満のもの。
第3石油類:引火点が70℃以上200未満のもの。
第4石油類:引火点が200℃以上250℃未満のもの。常温で液状。
動植物油類:動植物由来で引火性が250℃未満のもの。
また、第1~3石油類は水溶性と非水溶性に分類できます。
第1石油類
•非水溶性:ガソリンなど
•水溶性:アセトン
第2石油類
•非水溶性:灯油,軽油
•水溶性:酢酸など
第3石油類
•水溶性:グリセリンなど
ここで覚えやすいポイントですが、油はだいたい非水溶性です。常識で考えれば当たり前ですね。
これは大学受験レベルの化学の話なんですけど、深くまで知りたい方以外は知っておく必要はありませんが、水溶性であるアセトン,酢酸,グリセリンは分子構造にヒドロキシ基やカルボキシ基を含むので、水溶性があります。暗記でも全然問題に正解できますが、化学を学んでいる理系の方が有利になるゆえんだと言えますね。
引火性、発火性、可燃性の違い
私自身もよく疑問に思っていたんですけど、引火性って言ってたり発火性って言ってたり、可燃性って言ってたりなんとなく分かるんですけど、じゃあ詳しく違いを説明できるかというとう〜ん無理笑って人結構いると思うんですよね。この記事ではそこを詳しく説明していきたいと思います。
コトバンクで調べてみたところ、
•引火:他の火や熱が移って燃えだすこと。
例「火花がガソリンに引火する」
•火を発すること。燃えだすこと。
例「自然に発火する」
•燃やすことができること。燃えやすいこと。
例「このゴミは可燃性である」
これだけではよく分かりませんが、物質で例を上げてみると、
ガソリンはそのもの自体が突然燃え出すことは無いが、近くに火があると引火して燃える。つまり発火性は無いが、引火性がある。と言えますよね。
引火性と可燃性はまだしっくりきてない方も多いかもしれませんね、この違いをしっかり理解するために先に理解してもらいたい言葉が、揮発性という言葉です。
揮発性:液体が、常温で気体となって発散する性質があること。
引火性とは、揮発性の高い性質を持った物質が気化して、離れている火からでも着火する可能性があるもののことで、可燃性というのは、火に燃えやすい物質のことを言う。
引火性のある物質、つまりガソリンなどは揮発性が高く少し離れていても火があると燃えることがありますよね、しかし可燃ごみなどのような可燃性のある物質は近くに火があるからといって突然ガソリンのように燃え出すことは無いですよね。
このように似たような意味でもちゃんと使い分けがあるので、少しでも気になるな〜って思ったら調べてみるのも勉強としてはアリだも思いますよ。
危険物の分類
消防法でいう「危険物」には第1類から第6類まで分類されています。少し詳しく説明すると、
第1類 酸化性固体:可燃物を酸化して、激しい燃焼や爆発を起こす固体。
第2類 可燃性固体:着火しやすい固体や低温で引火しやすい固体。
第3類 自然発火性物質及び禁水性物質:空気や水と接触して、発火したり可燃性ガスを出したりする物質。
第4類 引火性液体:引火しやすい液体。ガソリンや灯油などの液体燃料がこの類になる。
第5類 自己反応性物質:加熱や衝撃で、激しく燃えたり爆発したりする物質。
第6類 酸化性液体:他の可燃物と反応して、その燃焼を促進する液体。
ここで補足ですが、危険物は固体か液体だけで気体は含まれません。
私たちがこれから学ぶのは第4類である引火性液体です。引火性液体とは、液体であって、政令で定める試験において引火性を示すものであることを言います。ガソリンスタンドで働いたり(アルバイトなんかでも)、タンクローリーを運転したりするときには法律で乙4の資格を持っている人を設置しなければいけないと決められているから、乙4の資格は危険物取扱者試験の中でも特に重要で受験者が多いと言えますね。
次回では第4類危険物について詳しく分類していこうと思います。